2012年9月4日火曜日

爆笑文化比較論(3)日本列島の民族流入

最近の遺伝子研究で人類は大体18の遺伝子グループに別れていて、その18種の混ざり具合で世界中の民族ができているらしいという事が判りつつあります。

この辺は学者によってやや意見が分かれていて「いや20グループだ」という先生もいたりしますが、これは要するにある二つのグループをBとCに分類するか、それともB1とB2とサブジャンル化するか、といった定義付けの違いだけでおおまかなところはいずれの説もほぼ共通しております。

いずれにせよ日本人の平均的遺伝子を解析する事で地球のどの辺りに生息していた人種がどの時期に日本列島に移住してきたかがかなり細かいところまで解明されつつあるんですね〜。

そこには従来考えられていた縄文人/弥生人なんて単純な人種構成ではない日本人の複雑な混血ぶりが浮き彫りにされています。

有史以前、まだ大陸と陸続きだった日本に最初に来たのは、現在北方遊牧民族に多いCグループと言われています。おそらくはマンモス・ハンター達です。

下って氷河期、北からC3グループ、間氷期には南からC1グループが来ました。

その後来た第4番目の大きなDグループ、現在は日本とチベットに分布する遺伝子グループですが、これこそ現在の日本人の中で一番多い遺伝子グループで後に縄文人と呼ばれるようになった人達です。つまりダライ・ラマも縄文人の親戚って事ですね!

縄文土器

更にその間わずかですがNグループ、エスキモー系そしてO1グループ、現在のフィリッピン人が僅かにがどこかで流入しています。

その後大挙して移住してきたO2グループがいわゆる弥生人、つまり渡来人系ですね。ただこれまでこのO2は単純に朝鮮半島の民族だと思われていたのですが、どうも遡ると長江文明の末裔だで北に行ったグループが朝鮮、日本に入ったらしいのですね。因に南に向かったO2グループはベトナム、タイに分布します。

弥生埴輪

そして有史以前(っていうか魏志倭人伝のような文献に日本が登場する以前)最後に渡来したO3グループは現在の北京辺りからモンゴル国境まで広がる華北系中国人の主流の人達です。

これら遺伝子グループが現代日本人の遺伝子に占める平均の割合は大体以下のようになります:

Dグループ(縄文人(チベット系))40%
O2グループ(弥生人(渡来人/朝鮮半島系))30%
Cグループ(日本最古の人類と考えられる人達(モンゴル系))10%
O3グループ(中国系)10%
その他10%

このように見てきますとたかが無人島を巡って隣国と争うなんて、云ってみれば隣に住んでいる親戚と幅2センチ程度の垣根の所有権を巡って裁判を起こす位愚かしくそして恥ずかしい行為に思えてきます。

平成埴輪

話が若干(どころじゃない(汗))それましたが、弥生人が日本列島とよばれる土地に渡来してきたのは今から2,500年前。この時に先住民族であった縄文人らとのあいだに何らかの抗争があった事は想像に難くなく、事実遺伝子的にも文化的にも縄文人の特徴を色濃く残している人々は日本列島の南端及び北端である沖縄と北海道に追いやられています。

しかし平均的日本人の遺伝子構成比からも判るようにシベリア辺りからやってきた先住民といい縄文人と弥生人といい多くはそのまま交配して共存していきながら、その過程で今まさに僕がコンピュータで打ち、皆様がコンピュータ又はスマホの画面で読まれている「日本語」 - 声帯によって発声される様々な音の組み合わせに共通認識出来る意味をもたせたものを更に中国から借りてきた表記システムで書き表したコミュニケーション・ツール - がLINUXの様にこれら多くの異なった遺伝子ベースの言語中枢の持ち主達によってオープンソースで共同開発されていった訳です。


そのオープンソースぶりの一例として我々が何の気なしに使っている日本語の語彙における倭言葉と漢言葉の交ざり具合を見てみましょう;

毎日ブログ書こう努力していますがなかなか簡単ではありません。」

=倭言葉
=漢言葉
オレンジ=15世紀以降にもたらされた外来語

全く別の語源の言葉が自然に隣同士に位置している事をみても異民族だった先祖同士が比較的和気藹々と同化していった過程が我々の言語中枢の深い所にも記録されているのです。


戦国時代のように寺や神社には火が放たれ、田畑を荒らされ、国土が荒廃するという時期も幾つかありましたが、そのような中にあってもよそから来て略奪と強姦を繰り返すような恐るべき侵略者とでさえ、少なくとも「言葉」は通じ、そして若干の「笑い」は共有出来た訳ですね。

野武士の侵略に晒される村の子供達を笑わせる菊千代 (映画「七人の侍」)

以来1945年まで約2,500年近く(この数字が皇紀に近いのも全くの偶然ではないかと思いつつ.....)日本の文化、言語そして日本語による笑いは外からの侵略者によって破壊される事なく伝承/発展してきた訳です。

つまり日本は「単民族国家」ではないですが、中国や朝鮮をはじめとする多くの文化から影響を受けつつもその影響が極めて均等に広がりかつスムーズに同化した、云ってみれば「単一文化国家」である、という言い方は(やや乱暴ながら)出来るかと思います。

次はブリテン諸島の民族流入の歴史とそれが実質世界共通語となっている今日の英語とその「笑い」にどのような影響を与えたかを検証してみます!

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